「下流の宴」 林真理子 著

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下流の宴 
 この本は、ずばり「子育てしている(していた)親」だったら絶対おもしろいでしょう!
これからの人は読まない方がいいかも(笑)。

親世代の感覚では考えられない子供世代独特の価値観、子育てに間違いはなかったはずなのに、なんだかずれていってしまった子供の路線。親としてなんとか「まっとうな道に」修復しようとするがどんどん違う方向へいってしまう息子。なんとなく今風に将来を見据えて目標を持って生きていた娘も、きがついたら・・・。
 
 私達の親世代は「戦中戦後」世代。みんな貧しかった。でも希望があった。
そして私たちの世代は「バブル世代」。子供時代は高度成長期、親は頑張れば出世もできた。自分の就職もあまり苦労をしなくてもありつけた。
 で、今社会に出ようという子供世代。ほんとうに取り巻く状況が変わってきているし、昔と違って価値観も多様化していますよね・・・。

 日本人全員中流意識がある中、自分の子供にも「中」もしくは「中の上」ぐらいの生活を望むのは当然ともいえますよね。誰もお金で苦労してほしくない。願わくば「望子成龍」、子供には出世して欲しいと望む人も多い。

 だから主人公由美子はごく普通の母親ともいえる。きっと読んだほとんどの母親世代は同情するんじゃないかな・・・。
 子供は中学受験を経て高校へ行ったものの途中退学、まだ大検があると思っていたら、そんなものは受けない、努力する、勉強する意味がわからない。一生フリーターで構わないと言いだす。それもまったく「暖簾に腕押し」状態、というのは本当お手上げですね。こういう子、今多いんじゃないかい?(*_*;
 子供の頃はなんとかだましてやらせたものの、大人になったらそれは効かない。
この息子翔君が沖縄出身の女の子と結婚するといいだし、この女の子がまた由美子には気に入らない「下流」の子。なんとか別れさせようとするのだが、意外にも・・・!というお話。
 か~なり面白いです。さすが林真理子女史、テンポもいいので一気読み!

 女って・・・どうして自分の「ものさし」でなんでも計ろうとするんだろうね?(笑)
こっちの人間、あっちの人間、というのが面白い。下流、中流、上流、ってやつです。
一度ランクが下がると這い上がるのは難しく、一生そこにとどまるはめになる。まんざら間違ってもいないような気もする。

 由美子や由美子の母親(この人がまたすごい)の必死の説得方法も客観的にみると笑えるんだけど、きっと同じ立場だったら自分も似たことするかも、と思ったり。
 人っていろいろだな、と認識はしているんだけど、どうしてもある意味の「まっとうな人生」を子供には歩んでほしいとおもうんでしょうね。翔も長男じゃなかったら、ここまでやっきにならずにほっておかれたのかも、と思ったりします。これも一つの価値観ですけど(^^ゞ

 この小説ではなんといっても玉緒ちゃんが最高。すっかりファンになったさ~(沖縄弁)。
 この子の知能は並みだけれど、しらずしらず自分のサポーターを呼び寄せている。これこそ持って生まれた人徳、というんでしょうね。

 「自分の理想通りに子供は育たない」・・・ですかね?(笑)
傍からみてると、うまいこといったなぁと思う人も多いんだけど。
うちの母親は後期高齢者となった今も「子育てに失敗した」とよくぼやいています(注:私の事ではないさ~)。
 これが正しいという正解がないもんね・・・。子育て中の方、ご苦労様です。


 
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by wenniao | 2011-03-31 23:07 | こんな本読んだ(Book) | Comments(4)
Commented by ぽんぽこ at 2011-04-01 08:12 x
うん!面白そうですね~
図書館で駆りてこよ~\(^o^)/
・・・25人待ちだって!楽しみ~(笑)
Commented by na0920 at 2011-04-01 16:22
(^O^)(^O^)
確かに息子の友達を見る時って、上流下流までいかないが、あの子と友達になった方がいい、できたら、あの子と遊ばない方がいいと思ってる(^O^)
借りてみようo(^▽^)o
Commented by wenniao at 2011-04-02 14:44
ぽんぽこさん
 私は半年以上待ったような・・・25人ならすぐね~。
新聞連載小説だったみたい。なかなか考えさせられます。おすすめ!
Commented by wenniao at 2011-04-02 14:46
na0920さん
 わかります、その気持ち。子供の事を考えると知らず知らず、ランク付けしてしまう感じ。この本きっと面白いと思いますよ~!
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