「ひそやかな花園」 角田光代 著子供時代の夏のキャンプ。学校の仲間とも違う、そこで短期間しか味わえない楽しい思い出。 毎年とても楽しみだったのに、あるときからぷつりとなくなり、親に聞いても的を得ない。 親戚の集まりでもなかったその「キャンプ」は、一体なんで行われていたのか? しょっぱなちょっとミステリーのように始まり、子供たちがだんだん大人になって行く過程でその真実が明かされていきます。面白かった~! この集まりとは、精子を第三者から提供を受け出産をした夫婦(もしくは母親)の集まりだった。だから子供たちはひとりっ子ばかり。なかなか考えさせられる内容でした。 母親は自分のお腹を痛めて産んだ子供だから「自分の子」という実感がある。でも父親の心境は複雑だ。自分が理由で子供ができないという負の気持ちをかかえながら、実質どんな父親かわからない精子を提供してもらい、自分の子として育てていかねばならないのだから。 夫婦でじゅうぶん話し合ってうまくいくケースもあり、駄目なケースもあり・・・難しい問題です。 そして子供達は皆それを知るわけですが、それも人さまざまな受け止め方がある。「遺伝」という生物学的に免れない要素もからんでくるし。 そして次の世代でも産む、産まない、の決断を迫られる時期がやってくる。 子供のいる家庭は 「この子(達)がいてよかった」 「この子(達」がいなかったら生きていくはりがない」 とよくいうけれど、 実際子供がいない家庭がじゃあ「生きていけないか」「生きていくはりがないか」というと、全然そうではないのです。いなければいない気持ちの軽さや楽しみがあるし、行きる張り合いというものは別にあるもんです。 どうもTVなんかでは、子供のいない夫婦はマイノリティ扱いされがちなんですよね。実際かなりいるのに。 というわけで、子供のいない私としてはなかなか興味深い本でした。 しか~し。誤植・・・いいところで(*_*; ひらがなの「逆転」だけなのに、こ、これはどうなの?いや~ん。ちゃんとチェックしていてもあるんだねぇ。お暇な方はP291を・・・
by wenniao
| 2011-09-29 11:07
| こんな本読んだ(Book)
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Comments(4)
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ぽんぽこ
at 2011-09-29 16:34
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さわちゃん 「読書の秋」してるね~
文学少女ね! 私も本読みたいな~と思いつつ 老眼にイライラするこの頃です。 あ~こうやって歳取ってくのね…
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wenniao at 2011-09-29 22:01
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na0920 at 2011-09-30 15:39
なかなか読書時間が取れない(だらけてるかな?)の私はwenniaoさんのブログを通して、いろいろなほんを知りましたよ。有難い気持がいっぱい(^○^)
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wenniao at 2011-09-30 22:48
na0920さん
いえいえ、そんなたいした読書家ではないんです(^^ゞ。 昔はちゃんとあらすじと感想をノートに書いていたのですが、さすがにもうそれはできなくなり、忘れないようにとブログに書くようになりました。書店にいくといろんな本がありすぎて、まよってしまうので、人に勧められるほうがハズレがない感じ(^_^)
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