「オジいサン」  京極夏彦 著

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「オジいサン」・・・真ん中の「い」がひらがなでなくてはいけないんです!
実に変わった、そして痛快な1冊。京極さんならではのぞくぞくっという和風ホラーからは、遠く遠く離れてはいますが、さすがっ!とうなってしまうインパクト強い本です。

 ぶっちゃけていえば「益子徳一」という72歳と6カ月をすぎた独居老人(結婚歴なし、子、孫なし)のなんてことはない1週間の話。

 本当に、何も特に起こりません(笑)。
公園に行ったり、買い物に行ったり、お昼を簡単に作ろうとしたり、電気屋の勧誘にあったり、回覧版をもってくるオバハンにつかまったり・・・それだけなんです。

 じゃあ何が面白いかって言うと、その心象風景が実に言い得て妙、テンポもよく、ページをめくるたびについついニタリとしてしまうわけ。72歳の老人の話だと思っていると、実に「アタシの事じゃん」と思っているときもあり・・・(-_-;)

 徳一さんは、実に真面目で平凡で、社会の迷惑にならないようにと一生懸命一日一日を生きているだけ。時々独り言をうっかり言っては「いかんいかん」と反省してみたり、ついつい考えが傲慢になってしまえば都度反省したりして、実につつましい。

 「情報化社会というが朝知ればいいことをなぜ前日夜に知らなくてはいけないのだ?」「1分、1時間が長い、なのになぜ1日が短い?」「中身は青年も老人も変わらない。何が変わるって肉体は怖ろしいほど衰える」「TVは今も十分きれいに写るのに地デジでもっときれいに写るといっても観たくないものも多いのに」・・・すばらしい語録だらけです。

 世の中わかりやすい「老人目線の本」というものがないので、なるほど、そうなのかと先人の頭の中をのぞけるかんじ。何と言ってもいいのは、この本「文字が大きい」(^。^)
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by wenniao | 2012-02-14 23:30 | こんな本読んだ(Book) | Comments(2)
Commented by きんぎょ at 2012-02-15 12:04 x
的を得て  ×
的を射る か 当を得る です
Commented by wenniao at 2012-02-15 22:19
きんぎょさま
 ご指摘ありがと~!私も打っててあってっかなと思いつつ。
「言い得て妙」が正解。なおしちゃった。
検索すると「的を得て妙」という文章もちらほらヒットするから、何かでインプットされちゃったのかも。
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