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「銀婚式」 篠田節子 著

 
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 タイトルと本の装丁から想像するのとは全く違う内容に驚き~(@_@;)の一冊。
いちエリートサラリーマンの半生を描いたものです。とにかくリアリティあり。
「銀婚式」というタイトルからもっとロマンチックな話なのかと思ったらとんでもない~。

 一流大学を出て一流証券会社に入社。初恋の人とも結婚できた。
人生順調かと思われた矢先、妻が海外赴任先で精神的に病み、それを機に別居、離婚。会社も大企業でありながらこのご時世いろいろ思わぬ方向へ。(あまり話してしまうと面白くないのでここまで)

 妻とは別れても一人息子との縁が切れたわけではなく、彼の受験にも大きく関わり
妻の両親の老いにも関わらなくてはいけなくなる。そのうちに自分の親も・・・。

  あ~世の中どうしてこう思わぬ方向へ進むのか。そして人生思いどおりにいかないのか。 

 若い頃はわからない。この主人公とほぼ同年である私には超リアルに実感できます。
きっと、あると思う、こういうこと。周りにもきっと起こっている、そんなお話です。

 主人公は40代半ば。会社でも仕事に追われ、家庭でもいろいろ問題勃発する一番大変な年齢ですね。このあたり40、50代の男性は真面目ではあるが、女ごころがさっぱりわかってない、と作者談(笑)
 篠田さんご自身は女性なので「ほんとにこの男、わかってない」という女性目線を秘めつつ~の男性の恋愛感を書いていて、実にそのあたり面白いです(^^ゞ 実にもどかしいもどかしい。

 特に親が要介護、または痴呆になるという現実。かなりつっこんで書かれています。
山崎豊子の小説読んでいるみたいな社会派切り口の前半、そして事実上別れた家族との切っても切れない問題勃発の後半。同年代の方、一読の価値あります。
by wenniao | 2012-06-20 10:01 | こんな本読んだ(Book) | Comments(0)
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