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「パイロットフィッシュ」「アジアンタムブルー」

 気持ち村上春樹さんに作風が似てなくもないが・・・そんなわけで私にはしっくりきたので続けて読んでみました。作者の大崎善生さんって将棋の世界の方だったんですね。

「パイロットフィッシュ」
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 きっと熱帯魚飼ってる人なら普通に知っているのでしょうが。
「パイロットフィッシュ」とは、本命の魚を飼う前に事前に水槽の環境を整えるためだけに飼う魚なんだそうです。だから用無しになっちゃう魚。なんて可愛そう。
 結構興味のあるストーリーが次々でてくるのですが、主人公の彼女の友達に「すぐ友人の彼を寝とる」女がいて。すごい迷惑な女性だと思うんだけど、友達なんだね。そこからABBAの話がでてきます。
 ABBAとは書いてないけど明らかに、なんです。ご存知夫婦2組のメンバーなんだけど、途中からヴォーカルの女性が相手のパートナーとくっついてしまい、それでもそれをネタに曲を作り、活動を続けてたらしい。知らなかったなぁ・・・ホントかな。
 私の好きな「The winner takes it all」なんて内容モロではないの。
勝者がすべてひっさらってしまうのよっ!って・・・(-_-;)

「人は一度巡り合った人間と別れることができない」
でもそんなトモダチでもつきあわなくちゃいけないのかなぁ・・・。

 若い頃は「感性」と呼んでいたものが歳とともに記憶の集合体になり、その呪縛が怖くなる。もうすでにわかる年代に突入しているので共感できます。

「アジアンタムブルー」
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 これまたなんだろうっていうタイトルですが、観葉植物アジアンタムが水枯れなど起こして葉が縮れてしまう現象のようです。我が家にもアジアンタムあるけど、なかなか難しい。なんとかキッチンで生きてます・・・。この一連の作品はあと1冊「エンプティスター」で三部作完結らしい。


  



 主人公は前作と同じ、アダルト雑誌の編集者山崎。写真家の葉子との出会いと別れ。
もう治らないとわかっていたら、こうありたいなぁ・・・と憧れますね、正直。
やはり病院のベットの上では死にたくないなぁ。
 日に日に弱っていく恋人を見守りながら、いかにも「生」であるアダルト業界の仕事を意欲的にこなす主人公のアンバランスなのか均衡をたもっているのか、というあやうさがよかったです。
by wenniao | 2012-10-18 12:00 | こんな本読んだ(Book) | Comments(0)
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