「無花果の森」「二重生活」と「狐火の家」「無花果の森」小池真理子 著 有名人である夫からのDVから家を出、全く縁もゆかりもないひなびた場所に逃げてきた泉。 一人暮らしの年配の画家の女性に住み込みで雇われる。誰も知り合いに会うことはないと思われたこんな場所で、偶然にも既知の知り合いに会う。 なかなかこのさびれた町岐阜大崖というのがいい味だしてました。梅雨のじめっとした不快感、人の少ない、シャッターの閉まった商店街、暗く隠微な感じの飲み屋街・・・ 全体的に明るいところと言ったらこの太った絵描きの庭に咲く、無花果の花、くらいのもの。 八重子という画家も、口は悪いが若いころ華のある人生を送ったのだろうという雰囲気を漂わせていて好感ももてるから不思議。 人間、生きているといろいろあるものだ・・・と思う。 「二重生活」小池真理子 著 変わってる話!大学の講義で受けた「尾行する」という行為を実際にしてしまった25歳の珠。 たまたま絵にかいたような幸せな家族の父親を尾行して、恋人とひそかに会っていることがわかってしまう。そして自分は同棲している男性がいて、ある年上女優の運転手をしているが、いままで嫉妬心などなかったのに、尾行を始めてから、自分の中にいままでなかった感情がふつふつとわきあがってくる。 小池さんにしては主人公が25歳とは珍しいな~と。こんな話もたまには面白い。 女子って嫉妬心が一度わくと、どうも抑えられなくなるもんだねぇ。 「狐火の家」 貴志佑介 著 短編4話。弁護士青砥淳子と鍵師(実は推理力にたけた泥棒のプロ?)榎本のシリーズ。 すべて「密室殺人」です。冒頭の「狐火の家」が一番よかったかな。 蜘蛛のこと、将棋のこと、知らないことがまだまだ沢山あるってことで。最後の「犬のみぞしる」は今までと書き方が全然違っていて、意表を突いてて面白かった。 小池真理子さん、先日読売新聞にご両親の介護について書かれていて、興味深く拝見しました。 親の老い、介護ばかりは誰にでもいずれおとづれるのよね。自分も親もそれぞれの考えや思いがあるから、そこの折り合いをつけるまでが大変だなと思う。
by wenniao
| 2013-08-17 10:10
| こんな本読んだ(Book)
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Comments(4)
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きんぎょ
at 2013-08-17 21:27
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長崎に行ってました。
無花果の森…わたしは小池真理子さんは読まないけど、似たような話を読んだような… 主人公のダンナって映画監督? うーん、どっかで読んだような… と思ったら、新聞連載だったかも。。。
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wenniao at 2013-08-18 20:57
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masshy85 at 2013-08-20 22:20
その記事読みました。
介護はそれぞれだけど、やっぱり一緒に暮らしている者が 見る事になるのよね。 いくら兄弟がいても。 わたしのは介護と言えるほどの物ではないけれど、 でも、にわか主婦は大変です。 それに父がやっていた事、母がやっていた事、自分がやっていた事を全部やるのは大変。 それは、母は分かっていないのよね、しっかりしている様でもね。
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wenniao at 2013-08-21 15:38
masshy85さん
そうですよね・・・やっぱり長らく一緒にいる人の方が慣れているというか気心知れているからかな。 そろそろ親の年代がくたびれはじめ、介護の話題になることも多くなりました。本当はもっと楽しい話で盛り上がりたいところですよねぇ。
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