「その日のまえに」 重松清 著
「その日」とはずばり「死を迎える日」。こんなに重たいテーマを重松風にアレンジ、
でも決して軽くはなく、読後ズシンときます。普段の生活でも友人との会話でもあまり つっこんで取り上げるテーマではありません。遅かれ早かれ必ずやってくる「その日」。 小説の中では「早めに」来てしまった人達が、自分がどのように受け入れるのか、また 周りのあり方はどうなのか、現代口調で書かれていて、とってもリアルでした。 短編7部ですが、最後の3部は連作、前出の登場人物がシンクロしてくるあたりは さすがだなと思います。 作者と私はほぼ同年なので、登場人物もほぼ同じ世代、大変共感しやすいのです。 癌を告知するしないという大きな選択が考えられます。特に最後の話し。 「悲しみと不安とでは、不安の方がずっと重い」・・・うん、すごくわかる。 そして告知結果を知った後は 「不安の代わりに絶望が居座った」でも「だが絶望というのは決して長くは続かないのだ」 ・・・言えてるなと思います。幸いまだ「絶望」という感情は持ったことないけど。 勉強していると、「忘却」する頭に嫌気がさすことがありますが(笑)実はこの「忘却本能」 は生きていく上で大変大事だそうです。辛いこと苦しいことも忘れてしまえるからです。 そう思って自分の脳味噌もたまには褒めてあげないと。 自分の人生は一度きりだけど小説だといろんな人生をかいま見ることができます。 こうやって少しずつ免疫をつけていくのがいいのかもしれない。 これを読んでいるみなさんも *「定期健康診断」をこまめに受け *腰と背中の痛みには気をつけましょう 身体の違和感を早めに察知するのが大事ですね。
by wenniao
| 2006-07-20 23:05
| こんな本読んだ(Book)
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