短編小説3冊
今年になってやっぱり時のたつのが早いのなんの。2週間で読むべき図書館借りの本があっというまに返却日です。冬、外は寒いけど室内の陽だまりで読書、贅沢な時間です(^。^)
「アカペラ」 山本文緒 著 大好きな山本文緒さんの本。ちょっと長めの3篇収録。 「アカペラ」はたんたんとはなしが進む割にはどぎもを抜く展開がさらりとでてきてさすが山本さん・・・タマコとじっちゃんの関係、好きです。 「ソリチュード」は千葉のどこぞの田舎街でいとこ同士で恋に落ち、周囲が許すわけはなく別れた2人の数年後。かなりせつない話だけどよかったな。 「ネロリ」は病気がちで働けない弟と彼女、結婚せずにずっと家と弟との生活を支えてきた姉の話。あ~これもかなりせつない。世の中には上手くいかないことの方がずっと多いね・・・としみじみ思ってしまう1冊。 「東京アクアリウム」 小池真理子 著 8個の短編。ちょっとホラー風なものもあって楽しめました。とくに「父の手、父の声」、よかった。子供にとっては生れた時から当然「親」ではあるけど、親には親の人生がある、ということが自分が大人になって初めてわかるというお話。小池さんの小説は男性が読むとどうなのかな・・・ちょい疑問。 「月下の恋人」 浅田次郎 著 短編11話。こちらもちょっとホラー仕立てなものもあり、「え、なに?どういう意味?」という答えが出ない、読み手にお任せ、という感じのものもありました。数人で読んでいたらわいわい討論できそう。 「黒い森」は特に気になる。長い海外赴任先から帰国、会社の職場でみつけた女性と結婚を決めようかという男性。彼女のことはよく知らないがおいおいお互い知っていけばいいかと思っていたのに、親をふくめ周囲は「早くしておけ」という人もいるし「彼女は絶対やめとけ」と言う人もいる、ただ自分だけ状況がさっぱりわからないという・・・ぞっとします(笑)。 「回転扉」もよかった。子供の頃から度々回転扉で出会う品のいい老人、その度に人生ががらりと変わる女性の話。誰にでも、気がつかないだけでいるのかもしれない、のかな。
by wenniao
| 2012-02-11 15:46
| こんな本読んだ(Book)
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