「夜をゆく飛行機」「冥土めぐり」「夜をいく飛行機」 角田光代 著 なんとなくホームドラマみたいな本でした。姉妹の多い家族、物干し台がある一軒家、酒屋を代々営む両親。「ふぞろいな林檎たち」のイメージ(歳がばれる)。 末っ子の高校生の語りで物語がすすみます。あるとき姉が書いた小説が本として出版されることとなり、平和な一家に転機が訪れる。 平凡な生活。人に話せるようなものは何一つないのに、安心できるもの。でもそれもずっと同じところに滞っていられるものではなく、自分も、そして家族も、周囲の地域も、ちょっとづつ変化していってしまうもの。いるはずの親戚はいなくなり、嫁いだ姉が帰ってきたり、近所におしゃれなショッピングセンターができたり、自分が恋に落ちたり。 それはこっちへ向かって飛んできてまるでとまってみえる「夜の飛行機」のようなものなのでしょう。実際はかなりの飛距離を飛んでいるのに、とどまって見えているだけの。 おばあちゃんがもうすでに亡くなっている娘といかにも会っているような「中間地点」のようなものがあると、いいね。何もかもが変わらず、幸せだった時が、そこに、ある、ような。 「冥土めぐり」 鹿嶋田 真希 著 2012年春に発表された芥川賞受賞作。この方の本、初めて読んでみました。 一緒におさめられた「99の接吻」もそうですが、「家族」のお話。 「冥土めぐり」は、イメージがわくまで読み進めて時間がかかり・・・私にはなにが「冥土めぐり」なのか、なかなかわかりにくかった。 過去の栄光を引きずり、金銭感覚がおかしな母と弟。それに反抗するように金稼ぎ能力のない煩悩な夫を選んだ主人公。その夫は脳の病気となり、一生介護が必要となるが、このめんどくさい家族からはかけはなれたような「天使」のごとき存在となる。 なんか不思議な世界でした。ま・・・こんな家族でも、縁が切れないものか? 「99の接吻」は4姉妹と母の物語。上の3姉妹を溺愛する妹。東京の谷中あたりが色濃くでてくる小説です。なかなかこれも不思議なエロス、というのかな。う~ん、この方の小説はアタシには難解(-_-;)
by wenniao
| 2014-02-04 17:08
| こんな本読んだ(Book)
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