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「サラバ!」 西 加奈子 著

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数年前の直木賞受賞作品。上下巻、かなり厚みあり。当時は図書館の恐ろしいほどの予約待ちにほとぼり冷めるのを待っていて、その後すっかり頭から抜けてましたが、このたび挑戦してみました。

 簡単に言えば圷歩(あくつあゆむ)という一人の男の子の37歳までの生涯の話なのですが、お父さんの仕事の関係で2度の海外転勤、強烈な個性の姉への思い、友達や親戚関係、サリン事件や阪神淡路の震災、などいろんな話が盛り込まれていて、最後まで飽きなかった~!110.png
ページをめくるたび、一体次はどんな章がまっているのやらと楽しみで楽しみで。女性作家がかいているとは思えない作品でした。
 ひさびさにのめり込んで読んだ本。これはおススメ。わかりやすいのがいい!!177.png





 特に歩の姉、貴子の幼少期の異常さが半端なく面白かった。しっぽの生えた巻貝(-.-) 部屋中の彫った巻貝(-.-)
怖いだろうなぁ・・・個性的を過ぎている~。こんな兄弟がいたら誰だって小中学校は安寧には過ごせない。

 イランで生まれ、その後エジプトでも幼少期をすごす主人公。カイロでのエジっこ友達ヤコブとのナイル川での別れにはジンときました。言葉なんか関係ない心の通じ合える友達がやっとみつかったのに。そして2人の言葉を越えた合言葉「サラバ」。

 大人になってSNSも介さないで、なんとなく自力で会う二人。そういうのも面白いと思う。名前検索して、あ、いた!ではなく、本当に縁があるなら、きっと会えちゃうんだろう。

謎の神様、サトラコヲモンサマのくだりは実は宗教なんてそんなもんなのかもってずっと以前から思っていたのでスカッとしました。ヤコブの宗教コプト教弾圧といい、お母さんのもつ「すくいぬし」の紙といい・・・お父さんまで出家します。結構宗教について書いてあるなって思う。
結局はその人が信じるモノが「神」のようなものであって、それはいろいろあっていいのだと思う。お姉さんも小さなころから純粋にいろんなものを信じてきて、悩んで傷ついて自分で見つけだした。

 人って変わる。変わってしまうもの。変わってしまっても真髄は変わらない。
そして世代を越えて、世界を越えて、人と人とのつながりは続いて行く。

 映画化になったら面白いな~と思って、ついつい想像。
歩役はすっかり菅田将暉君のイメージで読んでました(笑)
両親は、今始まったばかりの「半分、青い」(連ドラ)の両親、美人で気が強い母、松雪泰子、誰にでも無条件で愛を与える修行僧のような父、滝藤賢一がぴったり!お姉さんは、のん(あまちゃん)が面白いけどなぁ・・・。



 

by wenniao | 2018-04-03 21:54 | こんな本読んだ(Book) | Comments(0)
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