「暗夜行路」 志賀直哉 著
志賀直哉は実に高校の教科書の「城之崎にて」以来のウン十年ぶり・・・
以前著名な方が「無人島にひとつものを持っていけるとしたら『暗夜行路』を持っていく」という話を聞いて「そこまで言うなら読むに値するだろう」と思ってすぐ買った本。 それからウン年たちましたとさ(笑)やっと読み終えた。 途中「コレって『華麗なる一族』とがぶってないっ?」という個所もありまして。タイムリーだったかな。でも内容は全く違う。恋愛小説にように見えるけど、それよりかなり重いテーマがある。 主人公は小説家だけど、ほとんど仕事していないように見えてフシギだった。それで放蕩するわ、ふらりと旅行して、その先で暮らすわ・・・・よく資金が続くものだ。 終盤は結婚して妻との関係をうまく立ち直らせようとするくだりがとても興味深かった。お互い奥深くまで話し合う場面が印象的。なかなかここまで自分の心の整理をつけて言葉には出せないものだ。ふかく傷ついて立ち直れないとき、この本を読むといいかもしれない。 昭和初期の文学作品を読むと中国語(特に繁体字)に通じる漢字がよく出てくるので成る程と思う個所多し。最近の行間の空いた、あっという間に読める本も気晴らしにはいいけど、あまり印象に残らないものが多い。やはり消費文学なのかな・・・たまにはこういった文学作品を読まなくては。
by wenniao
| 2007-02-16 17:43
| こんな本読んだ(Book)
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Comments(2)
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by
Sala
at 2007-02-17 05:23
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そういえば読んでないや・・・志賀直哉。
何ででしょう。 谷崎潤一郎は好きだけれどね、って違うか。 今度本屋さんで探してみよう。 ところで、ですが、蓮花さんとこってリンクさせてもらっても大丈夫? もしまずいことがあるならやめておきますが、大丈夫だったら 張らせてもらいま~す。 いかがでしょう。
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wenniao at 2007-02-18 11:24
親の資金があって生活に困らないこの時代の人達を総称して「高等遊民」というそうな。初めて知ったわ。
リンクもちろんオッケーですよ!実は私もってるのよ、リンク用のバーナってやつ。そのうちHPの方にのっけるので、ご利用下さい。その節は連絡しま~す。
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